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使命感   1990年9月23日

  

1.自分の使命感に集中する              P.1/5

2.幼稚園 盆暮れのあいさつのこと           P.2/5

3.小学校での問題のこと               P.3/5

4.ある大学生を弁明したときのこと          P.4/5

5.神様からいただいた神心の信念を持ち続ける     P.5/5

4.ある大学生を弁明したときのこと     P.4/5

そのほかにもうひとつ、こういうことがあったんです。


私のお友達のところに、大学生が下宿してた。その人は実家が水戸なんですよ。


私が住んでいたのは戸越公園の中延ってとこなんですけどね。お友達は豊町かな、そこへ住んでたんですけど、まあ近くで、そのお友達のとこに下宿してる大学生がいたわけです。


その大学生が彼女に失恋しちゃったんですよ。そしたらもう勉強どころじゃないですよね。


もうホントに自殺しようかしまいかっていうような意気消沈しちゃって、そんなとこまで追いこまれた学生さんがいたんです。


その学生さんがね、ある日お風呂屋さんに行って、風呂桶持ってね。そのお風呂屋さんは第二京浜を横切ったところにあるんですけど、


それで結局、お風呂を出てから第二京浜のところまで戻って来て、向こうへ渡ろうと思った時、タクシーが来たんですね。


そしたら、フラフラってタクシーに乗っちゃったんですよ。ほら、精神がそういう状態だから、失恋して死のうかぐらい考えてた時でしょう。


だからフラフラっと車に乗っちゃったんですね。それで水戸までやってくださいって言ったの。


ところが運転手さんは、その頃はよくタクシーのお金をみんな持ち逃げしたりなんかして、そういう強盗事件が多かったんですよね。


だから運転手さんは、乗るお客さんをすごく警戒してる頃だったんです。それで振り返って見ると、風呂桶だけ持ってね、その恰好で乗ってるでしょう。


それで水戸までやってくれって言えば、ちょっとおかしいなと思っちゃいますね。それで水戸までやらないうち、あれは亀井戸だったかな、警察署へ持ってっちゃたの。


そして警察署の方で、君はお金もないのに無銭で水戸まで行くつもりだったのか。車を無銭で乗るつもりだったのか。そう責められてね。


それで、いや、うちへ帰れば親がお金を出してくれるかと思って。そう言ったって、結局一旦そういうふうに警察へ届けられるとね、警察の方は何とか点稼ぎしようと思う。


だからその子を何とか陥れようとするわけですよ。


そうじゃねえんだろ。無銭でもっておまえはあの車に平気で乗ったんだろ。それが証拠に金がねえじゃねえか。金がねえのに何故車に乗ったんだ。


そう言って責めてるわけですよ。それでどんどんどんどん責められるから、仕方がないからね、もうめんどくさいと思って、はいそうですって言っちゃうんですね、あれね。


それで私のお友達は、ちょっと気の小さい人なの。警察庁からお呼びがあって、鶴田さん、私ひとりじゃなんか心細いから、まあ普通そうでしょうね、一緒に行ってくれないってわけだったんですよ。


それで一緒について行ったんです。そしたらもう、初めて私は警察に行きましたけども、真っ暗な廊下のところに豆電球が所々についててね、


そして変な車から降りた人が、こう編み麻かぶってね、それで紐で縛られて、それで行くような姿も見ました。


それで私たちが入っていった部屋が、やっぱり検事が何人もいるわけです。そしていくつも仕切りがあるんですよ。


それで入っていって、検事さんの前に腰かけたんですけど、もうあっちでもこっちでも、バァ-ッと怒鳴ってるんですよ。


それで一緒にいた友達は、もうオドオドしちゃってるわけですよね。すごい勢いで怒鳴ってて、とにかくひどいもんです。


それでそんな時にでも、それまでのいろんな体験が活かされたんでしょうね、私は。ドキドキしないで、居座っちゃうんですね。他人のことだから余計に強くなれるんですよ。


それで検察官が来て調書を読んで、これに間違いありませんか?ってなるわけなんですけど、


その調書を読んでいただく前に、ちょっと検察官に、私は質問がございますって言ってやったの。


何ですか?って言うから、


こういう所はね、罪人を作るところですか?それとも罪人をなくすところですか?それから答えてください。と私は言ったんです。


そしたら検察官がニコッと笑ったんですよ。そういうことを質問する人はいないんでしょうね、おそらく。


むろん罪人を作るところじゃないですよ。って、こう言ったの。


あ、それを伺ってホッとしました。それを伺わないと、これからの言葉が出ないんです。罪人をなくすために、こういうとこがあるんですね。罪人を作るためにあるんじゃないんですねと、私は念を押したんです。


そしたら、そうですよ、罪人を少しでもなくすために、こういうところがあるんです。と、言われたの。


それで私は、それじゃ伺いますけどね。実は、この人は下宿屋さんなんだけど、もう心細くてものが言えないから、鶴田さん一緒に行ってくれって言うんで、私はお友達なんだけど、ついてきたんです。


この人はもうオドオドしちゃって何も言えないですから、私の証言でいいでしょうか。しょっちゅう遊びに行ってたので、要するに大学生の立場をよく知ってる私ですから。


そしたら、ああ、いいですよと、こちらの人が答えられないんじゃ、あなたがその事をよく承知なのであれば、答えてもいいですよと、こう言ったの。


じゃあお答えさせていただきます。って言って、今の事を言ったんです。


実はこの青年は、ある女性に失恋してホントに失望状態だったんです。もう毎日がホントに死にたくなるような心情であったんじゃないかと思います。


そんな時にお風呂屋へ行った帰りに、何気なくフラフラッと車に乗って、水戸まで行けば自分の家だからお金があると、いう考えを持ちながら乗ったんだと私は思いますよ。


そして途中で運転手さんが、御承知のように、今盛んに運転手さんの料金を泥棒する、そういう事件がはやってるから、それと同じにみなしちゃって、その亀井戸の警察署に届けたから、この青年はそういう所へ追い込まれたんでしょう。


だから常識的に考えて、はっきり言って、もう神経衰弱状態でいた方なんですよ。だからその辺のところ認めてあげてくださいませんか。って、私が言ったんです。


そしたら、わかってくれましてね。


じゃあとにかく、中延から亀井戸までの料金を、そのタクシー会社に払ってくだされば、よろしいです。となって、それでその青年は罪をのがれられたんですよね。


そういうふうに、私、その青年のために弁明したことがあるんですよ。だから人のためにはとても強くなれるんですよ、私ってのはね。


だからもしうちの会員の中に、何か誤解されてそういう事が起きた時には、その人を徹底的に守るつもりでいます。

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