本当の幸せ感 1988年12月4日

3.管長先生お話　　　　　　P.3/6

これはすごく難しいと思うの。新しい人たちには特にそうじゃないかなと思うんだけれども。

僕なんか、かつて今の話、全然わかんなかった。まあ、たとえばこういうことですよ。勝洋ね、私、旅行すると、いつでも晴れてて素晴らしいよ。ってこう言うわけですよ。

で、僕の頭の中、何考えてるかって、何を言ってんだと、世の中、雨の日もありゃ、風邪が吹く日もあるんだよ。そんなに、晴ればっかりなるわけないじゃないかと、腹の中では、実は思うわけ。

ね、その時は心底そう思ってると思わないわけ。言ってしまえば、宣伝じゃないけれども、あ、そうやって言ってるんだなって、そう思ってたわけですよ。

そうしたらば、平然とね、雨降って素晴らしいって言うわけ。で、ここが非常に難しいのよ。実は、そこで僕はわかんなかったわけ。

最初は、ほら、見ろと思った。何を言ってんだと。

だってこの間まで、私が行けば晴れるばっかで素晴らしいって言ってた人が、自分で雨降ったって言ったらさ、ほら、見ろ、僕が思ってたこと証明したじゃないかって、実は思ったわけだ、腹ん中では。

そしたら違うんだね、これが。心底そう思っちゃってるわけよ。心底思ってる人にはかなわないわけ。

ね、何言ってんの、この間は晴れてばっかりいるって言ってたのが、じゃ、あれは嘘だったの？って、言ったところでね、もう幸せだと思ってると思うと、もうどうにもなんないわけ。

そうなると、もうどっちが勝ちかなと思ったらさ、晴れてばっかいるわけねえじゃねえかって思ってるよりは、そう思い込んじゃってる人の方が、よっぽど幸せだなと、実はその時に僕、思ったわけ。

これ、そうは言わなかったのよ。晴れても素晴らしい、雨降っても素晴らしいって。言わなかったんだけど、ぼくなりにそう解釈しちゃったわけ。

いつも雨降っても素晴らしい、もう晴れても素晴らしい。自分にはそういう具合に巡りあわせがあるって、こういう具合に、心底そう思いこんでしまってる。そう考えられたら、これホントに楽でいいやなって思っちゃったわけね。

で、じゃあ僕も今度そうやって生きてみようと思うじゃない。そうすると、雨降ると、そうかここだな。こう思うわけだよ。

雨降って、今日はいやな日だと思っちゃいけないと、なかなか雨もいいじゃないかと、これが第二段階だと思うの。それでもこれは大変な進歩だよね。

やっぱりね、第三段階、第四段階と行って、我々がどうしてもなかなか到達できない部分っていうのは、心底そこまで思えるってこと。

はっきり言って、僕にしてみれば、晴れる時が素晴らしくて、雨降って素晴らしいって、これ奇跡でも何でもないと思うわけ。だってそうじゃない。降るんだもん。そう思ってしまうだけの話なの。

でも、僕はそう思おうと思っても、思えないわけよ。今日の仕事、雨降られると、やなんだよね。こう思っちゃうわけだ。

そうは全然思わない人、いやいや雨、素晴らしいねって、こうなっちゃったら、ホントに楽な生き方ができると思うのね。うーん、だから僕は少しずつ、そういう具合に思おうと、これが秘訣だなって、実は思ったわけ。

人間の生き方っていうのは、逆らわないで…逆らわないって気持ちすら、もうないわけだ。もうホントに自然なんだよね。自然に素晴らしい。

こうなってしまったら、でもそれはちょっと僕は、普通の人間には、そりゃあ難しいと思うんだよ。

だから少なくとも、そういう具合に思って生きていけば楽なんだろうなと思って、なるべくそういう環境に自分を置こうと努力しながらやることは可能だと思うわけ。

だから雨が降ったらば、オッと今日は雨だけれどもと、思いながら一歩外へ出て、オッ雨いいぞ、いいぞと思ってれば、雨がよくなってくるだろうと、いうぐらいの生き方ならばね、ぼく達もできるだろうと。

それを変に逆らって、何言ってんだ、雨降ってる時もありゃ、風邪の日もあるんだよ。冗談じゃねえや、今日は雨降りやがって。なんて思ってたら、これはやっぱり決して面白い生き方じゃないよね。

それに気がついたら、神霊主様の話がすっごくよくわかってきた。それまでは僕、なーに言ってんのって、冗談じゃないよって、そんなふうにいくわけないじゃないって、いつでも反発してたわけ。

もろに口に出す時もあれば、腹ん中でも、毎回そう思ってるわけ。そういう話はしてもらいたくない、なんてことまで。

ところが皆さんに聞いたらば、同じような話を何回聞いても、その時その時、自分は聞く気持ちが違ってくるんだってわけね。

僕は何回も聞いたら、耳にタコができて、同じ話は聞きたくないと、ずいぶん皆さんは忍耐強いなと、こう思ってたわけ。

ところがね、それがやっと最近になってわかったの。だから僕が今、雨が素晴らしい、晴れが素晴らしいって言ったって、ホントは皆さんの方は、当の昔にもう気がついていたかもしれないのね。

今頃、僕はすごい事に気がついたぞと、言ってるのかもしれないけど、ホントは腹の中で笑ってるかもしれないけれども、少なくとも僕は、そういう具合に感じたことは確か。

そうしたら、なんか世の中の生き方がね、かなり楽になってきて、今までの生き方は馬鹿らしいなと、ちょっと変化を持たせようかなと思えるところまで来てるんだよね。

僕がここへ、入って来た時には、もうはっきり言っちゃいますね。どうせこういうところへ集まってくる人たちは、世の中の落ちこぼれと思ってたわけよ。そういう考え方を持ってたの。

だからそんなんじゃなくて、僕みたいに強く生きるように、なんとか教えようと、意気込んで来たわけ。そしたらね、1年目で挫折したわけだ。

その時だめだと思ったのは、この人たちは言ってもわかんないと思ったわけ。それが1年目。

それから半年位経った時に、目を見てるとわかるわけ。僕に対する反発がすごくひどい、すごかったの。それでね、もう僕は一切こういうような話すら、するのをやめようと思って、話しなくなったわけ。話しても無駄と思ったわけ。

でも、またあえて、ここで話をするのは、なぜかっていうと、自分の考え方が変わったからよ。

要するに皆さん方、ちっとも落ちこぼれじゃなかったわけ。もしかしたら、僕の方がよっぽど落ちこぼれだったんじゃないかなと、最近は思ってるわけ。

それで、僕は他の所に行って、ちょっと話す時もあるんだけども、昔はそういう考え方を持ってたから、そういうような話をしてたけど、今は違うの。

僕自身、霊照会にいることによって、ずいぶん助かってるんだよね。そう言えるようになったわけ。僕にとって霊照会は必要なんだよって思ったわけ。

それは、やっぱり何年もかけて、神霊主様の話を聞いてきて、本当は皆さんは、実は世の中の落ちこぼれでも何でもなかったわけよね。もう全然次元の違う所で。

そういう中でね、僕みたく、シャバ世界の中でさ、なんか殺伐として、おお勝った、負けたって、言いながら生きてきた人間が、この世界入って来て、

僕は世の中では落ちこぼれじゃねえぞー。なんて思って意気込んできたら、精神的には僕の方がよっぽど落ちこぼれだったっていうことに最近気がついて、やっぱりこの会って素晴らしいなと思ってるわけよ。

だからまるっきり僕自身も変わったし、その変わった中で初めてね、ああ、そうかと、晴れも素晴らしい、雨も素晴らしい、もうそれに近いね、そういう気持ちってのが、ある程度、皆さん方はきっとわかってんだろうなあと、

俺は極々最近、2カ月か3カ月前に、やっとそれがわかってね、そういう生き方をしないと、結局は幸せじゃないんだろうなあと、いうことに気がついてったわけ。

なんていうのかな、神霊主様の話を聞いてる人たちの話っていうのは、純粋だよね。僕みたく純粋じゃない人間は、バカ野郎、雨降る日だってあらあって、こうなっちゃう。

だけど、皆さん方はそれを納得して、こうやって聞いてるでしょう。僕、初め聞いてられなかった、ホントに。

その分ね、やっぱり相当違うと思うんだ。普通は僕みたいな人間が多いんだから、やっぱりこれは広めるべきよ。

僕みたいな人間はね、きっとこのまんま行ったら、幸せじゃなかったと思うんだね。やっと最近になって、僕が目指した幸せは、実は違ってたということにすごく気がついたわけ。

人間のホントの幸せって、そんなもんじゃなくって、一生懸命さ、お金を稼いでね、要するに物質的に恵まれて、それ自体を間違ってるとは思わないけれども、

精神を踏み外して、そっちに走ったらば、全体幸せじゃないね、これは。それにやっと気がついた。

だから僕が今、がんばろうかなと思ってるのは、いろんな人に対してね、やっぱり優しい気持ちの中で接しながら、一生懸命働いて稼がしてもらう。

蹴落としてでも嘘ついてでも儲けてやろうっていうのは、やっぱり間違ってるよ。

やっぱり優しく優しくしながら、やっていくと、きっと儲けさせてくれるだろうと思って、それで儲けが少しくらい少なくなっても、人間として得ることはもっともっと大きいんじゃないかなって思ったの。

それで、さっきの神霊主様の話っていうのは、すごく優しそうで難しい。皆さんもそう思ってると思うの。

でもやっぱりその境地になったら、きっと素晴らしいだろうなあと思う。だから僕もね、一生懸命がんばらさせてもらおうかなと思ってるわけです。