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現象にとらわれない心 1992年5月8日

  
  1. 人間の身勝手さ       P.1/3
  2. 心、迷うことなく      P.2/3
  3. 本当の幸せは自分の中に   P.3/3

1.人間の身勝手さ      P.1/3

こういうところへは、いろんなかたが見えるわけですよ。いろんな宗教のところへ行っている方々。


全部、教えはホントは一つなんですよ。同じなんですよね。


だけど、人間っていうのは、清まっていないから、欲の心が、どうしてもついてまわる。


どうしてもその現象にとらわれちゃうんです。
現象がいい結果に出るとありがたいっていうことなわけ。


悪い結果になると、一生懸命神様にお参りしてるのに、何でなんだって。


自分の悪さってものを、人間は考えたくないんですよね。非常に身勝手に出来あがってるんです、人間ってのは。


結局、何でもかんでもね、よくなるのも神様のおかげ。悪くなると、こんなにお参りしてるのに、どうして悪くなるんだろう。


悪くなるのも神様のせい、よくなるのも神様のおかげ。


ぜーんぶ神様、神様。信仰をなんでもかんでも、よかれあしかれ、すべて神様のせいにしちゃうんですよね。


ま、良いことを神様のせいにするのはいいけど、悪いことまで神様のせいにするわけですよ、人間ってのは。


そのくらい人間は身勝手にできてるんです。


あるかたが、非常に、まあ、信仰熱心だなと思って、それは何故かっていうとね、


今までここへ会員であるのに見えられなかった。ところが、事故の現象が起きた。


だけど、普通だったら自転車で跳ね飛ばされて、もっと大けがするところだったのに、大怪我もしないで大難が小難で済んだのは、


やっぱり神様のおかげだということで、その方は、その時は夢中になって来てますよね。


夢中になって来てるんだけれども、この現象にとらわれてる自分の信仰心っていうのは、現象が変われば、また変わるんですよ。


現象で動くことになっちゃうの。人間、現象で動くんじゃ、ホントの真理はつかめないんです。


いい現象、そりゃうれしいですよ。
だから悪い現象も、むしろそれを反省の気持ちで受けとめられる人間であれば、これ、真理の道に入ってるんですよね。


ところが悪い現象っていうのを反省しない。
どうしてもね、悪いっていうのは、なんか、他のせいにしたがるのが、人間の本性なんですかね。


それで、信仰してる人はね、神様をこんなに信仰してるのに、どうしてこういう悪いことが起きるんだろう。


神様を抜きにして人間同士の場合でもね、私、あの人にあんなに親切にしたのに裏切られたと、


何でもかんでも、みんな悪いことは人のせいにしちゃうんですよ。


全部神様のせいとか、人間のせいとかね、そういうふうに人間って、実に身勝手にできてるんですね。


それはもう、何回も繰り返すように、ご先祖様が悪い想念をいだいて、そしてあの世へ行っちゃったから、


その悪い想念のおかげでもって、人間、身勝手にできちゃってる。


悪い想念は何かと言うと、今言うように、私欲です。


すべてが欲にからんで物事を考える、そういう習性ができてしまったんです。ご先祖様からこんにちに来るまでにね。


とにかくひとつの習性になっちゃってるわけ。だから、そういうことじゃ、いつになっても救われないんだがなあと思うんです。

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