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幼稚園の盆暮れのあいさつ 1991年2月16日

  
  1. 個人でのあいさつから母の会一同でと、役員会へ    P.1/3
  2. 実るまで、信念を貫く                P.2/3
  3. 鶴屋さん、あなたには負けました           P.3/3

1.個人でのあいさつから母の会一同でと、役員会へ    P.1/3

私も、ここまで来る間に、いろんな問題を歩んで来て、それでいつも体験することは、本当に人間って頼りないですよね。


たとえば、うちの息子が通っていた幼稚園の問題、その時にも随分、苦しみました。


その問題を解決するために、出血がひと月ぐらい止まらない、そういう体の状態になって、それでも私、これを成功させようと思ったんですね。


その頃、私は「鶴屋」というお菓子屋をやっていて、

「あんなとこ、買いに行くな」

と言われて、お菓子の売上、どんどん減ってしまったりしてね。


その問題というのは、幼稚園に盆暮れのあいさつがあるんです。そうすると、各地域ごとでいろんな物をあげるわけです。


個人であげる人もいるし、それを見ていて、こんな無駄なことをするよりも、母の会一同で、たとえ百円づつでも集めて、そのお金が貯まれば、遊造園物もできるし、ブランコも出来るし、その方が幼稚園も助かるんじゃないかな。


そう思いましてね。自分の地域の役員会に持っていったっんです。


でも、その役員さんがなかなか一筋縄ではいかない人なんですよね。えばりたい役員さんで、自転車屋さんのおかみさんです。


それで、ほかの地域の役員さんのところに、その話をしましたら、ほかの地域だから、冷静な立場で聞いてくれて、


「あら鶴田さん、それ、とってもいい考えね。いいこと考えてくれたわ」

「盆暮れの挨拶、ホント私たち悩んでたのよ」

「それだったら、する方も楽だし、いただいた方だって身になるしね」

「それ早速、実行しましょうよ」


そうですねとなって、いろんな地域が、四つか五つだったかな、お話して、最後に私の地域の役員さんにお話に行く時に、


私は役員でも何でもないから行けません。あなたがた皆さん一緒に行って、その話をして下さい。と言うんですけど、


「私たち、Tさん(自転車屋さんのおかみさん)が苦手でね、あなたも行ってくれない」

こう言うんですよ。


でも私は役員じゃないから、それこそ私が行ったら、クセつけられて、それでお話が壊れちゃいますよ。だから私が行かない方がいいんですよ。と、言うんですけど、

「でも、なんか心細いから、鶴田さんも行ってよ」

と言うので、仕方がないから、後ろについて行ったんです。


それで、ほかの役員さんたちに話していただこうと思って、私は後ろの方にいたんですけど、なかなか、もじもじして話せないんですよ。皆さん、おっかなくて。


そしたら、向こうが先に、そのことをキャッチしててね、


「あんたがた、何しにきたのよ。ここ30人ばかしの父兄は、私の味方なんだから。みんな私の言う通りになる人間ですからね、何の話を持って来たんですか! 一体全体」って、こうですよ。


みんな言えなくて、結局、私が前の方に突き出されちゃったんです。


「鶴田さん、言ってよ、言ってよ」


それで役員でもない私が、ホントは言う立場じゃないんですけれども、実は、誰が言うってことなしに、自然に出来たんですけれど、


皆さん、母の会一同でお出ししたら、学校側も、皆さんも助かるということで、あとはTさんの所に賛成していただければ、もうこれで出来あがるんですけどって言ったら、

「ここ30人は賛成しません。私の号令聞くから、みんな反対していますから」

「だいたいね、鶴屋さん。あんた生意気よ。若いくせに。だいいち、役員でも何でもないんでしょうが」

「その何でもない人間が、そんなこと私に言ってきて、それでいいと思うんですか。冗談じゃないよ。あんたなんか引っ込んでなさいよ」


そう言われましてね。それでも、どうもすいませんって、頭下げて、


役員でも何でもないので、実は来る訳じゃなかったんですけど、どうしても皆さんが、ついて来てくれと言われたものですから、


後ろの方に控えていたんですけど、なかなか皆さんが、お話して頂けないので、


結局、私がでしゃばるような形になってしまって申し訳ございませんって、お詫びをしてね。


「でもこの30人、ひとグループは、絶対に反対ですから」こう言うの。


それで帰りにね、


「これは、あの30人が反対では、母の会一同にならないし、もうやめようか」


こう言いだしたんです。ああいう態度に出られたんじゃ、どうしようもないって。


それで私が、そんなことダメよ。せっかくいいことなんだから、やめようかなんて、そんな弱気になっちゃダメよ。


それなら私、何とかしてみますから、皆さん、これ、投げないで下さい。せっかく地域がみんな賛成してくれて決まったんだから、ここだけなんですから。


私が何とか口説いてみますから、どうか投げないで下さい。待っててください。って言ったんです。そしたら、


「そう、鶴田さん。じゃあ、あなたにまかせるわ」


というわけで、まかされてしまったんですね。

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