求めざるして授けられる 1991年10月12日

テレビ番組の出演 ③　　　　P.4/5

前にも話しましたけど、西南の方へ行けっていう、青木ヶ原の番組ね。

その時は芳賀さんだとか、タツオカさんだとか、何人かが行ったんです。ところが台本に名前を載せられたのは私だけなんですよ。

それだけもう、テレビ局の方からも私をかってくれるところまでいってたんです。

それで前日の夜に、明日レポーター付けますからとか言いながらね、台本を持ってきてくれたの。

で、めくってみたら、内容が、霊能者はなぜか西南へ西南へって書いてあるんですよ。

何ですか、これは。私はまだここへ着いたばっかりで、まだ現地へも行ってません。西南へ行くかどこへ行くかわかりませんよ。って、こう言ったの。

そしたら、ディレクターと構成の人が、二人で来たんですけど、顔見合わせて青くなってね、困ったなっていう顔してるんですよ。

いや実はこれ、我々はもう一週間前から来て、だいたい調べてあるんですよ。それで、どうも西南が怪しいんです。それでこういうふうに書いたんですからって、こう言うの。

それはあなた方のお調べでしょ。私は明日行ってみなくちゃどこへ行くかわかりませんよと、こう言ったんですよ。

そしたら、じゃあ一時間、時間くださいって、帰ったんですよ。

それで一時間経って、また来て、

先生、どうぞ明日好きなところへ行ってくださいって言われたんですね。

結局、私の役を芳賀さんが取ったのよ。あの人、名が売れればいいんだね。

それで、この「なぜか霊能者は西南の方へ行く」で、レポーターも長谷川さんを付けてあって、この主役を鶴田さんが降りたんだから、芳賀さん、やってくださいよと、頼みにいったらしいんだよね。

それで、芳賀さん、あっさり受けたわけですよ。だから芳賀さんの方は賑やかで、鈴鳴らしちゃって、

長谷川さんが後ろを追っかけまわしてね、何が見えましたか、かにが見えましたかって、遠くの方で声が聞こえるわけですよ。

私の方は、大学生が一人付くんですね。ほら、青木ヶ原っていうのは、方角がわからなくなっちゃうから、それで付いてくれるんです。

で、何でこっち来ないんだろうねって言いながら、それでもう何だか面白くないから、いい加減なところで引きあげましてね。

それで、女優の東てる美さん、この方も来てたんですけど、何が見えました？って聞かれたから、私はなんにも見えませんって言ったんですよと、

さすがですね、やっぱり女優さんは女優さんとして生きなくっちゃ。

結局どうですか。大河ドラマに出るようになったでしょう。だから物事ってのは、その時だけじゃだめなのよ。

やっぱり自分は何であるかってこと、まず自覚してね、それで貫こうという考え方が、私は立派だと思う。

あとエミ―織原さんもね、華厳の滝での番組で、立派だなと思ったのは、私には何にも見えませんと言ったの。これ、立派ですよ。だからあの人は、易で身を立ててますよね。

霊能者でもないのに霊能者ぶる人がいるんですよ。

「私、なんにもわかんないのにさ、何が見えるっていうから、華厳の滝行けばね、誰か何かで死んでるに決まってるんだから、赤ん坊をおんぶした人が出てきたって、わからないんだけど、そう言ったのよ」

そういうこと言ってるんですよね。もう易者もいい加減なのがいるんだなって、その時は思いました。

そういうわけで、あの時も私は結局、おかげさまでいい成績でした。

そしたらお終いの方になって、その土地の消防署員が出てきて、その消防署員が言うことがね、

今からひと月ぐらい前にね、西の方で女子大生の遺骸があがったって、私に言ったんですよ。

ああやっぱり、私は大丈夫だったんだなって、その時思いましたよ。

それで、やっぱり自分の番組だから見たんですよ。私のところは大学生だけしか付けてくれなかったけど、長谷川明男さんも、とうとう最後まで来なかったけどね。

西南へ行けば、鈴鳴らしてね、長谷川明男さんがレポーターでどんどん聞きに来るんだろうけど、それをしなかったから、でも、いいやいいやと思って見てたんですよ。

ところが番組ってどうにでもできるんですね。今度は、霊能者はなぜか一斉に西へ西へと行くって、最後の締めがそうなってるんですよ。

そしたら、うちの会員さん知ってるからね、みんな見てるから、最初から西へ行ってるのは、うちの先生だけじゃないですかって。

なぜか霊能者は西へ西へと行くなんて、いい加減なこと言ってるねえって言いましたけど。