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私たちは大自然のひとコマ 1989年2月28日

  
  1. 歌詠みをとおして          P.1/5
  2. お背中、流しましょう        P.2/5
  3. 神様はすべての大調和を願ってる   P.3/5
  4. 山寺に光仰いで永遠の命を      P.4/5
  5. 矢が降ろうが、鉄砲が来ようが    P.5/5

4.山寺に光仰いで永久の命を  P.4/5

ちょっと話変えてね。さっき、昔はゆとりがあったからって言葉が出てましたけど、今の状態だって、心にゆとりを持たせるように努力したらどうですか。


私、つくづく子供っていいなって思いました。うちの管長(ご子息)が6歳だったかなあ、あの時に学校で歌詠みの時間になったんですよ。


それで、三重丸か四重丸か、とにかくたくさん丸をもらってきたんです。


それを見たらね、「お母さん、今日歌の時間で、歌を書きなさいって言われたんだけど、僕わからないんだよ」って、こう言うの。


それで、「ちょっと浮かんできたから書いたら、こんなに丸もらっちゃったんだ」


そう言って出された歌がね、今でも覚えていますけど、


「歌作り、左を見たり右見たり、下を見たら朝顔の花」…いいですねえ。どうですか皆さん。


ね、先生のほうから、今日歌作りの日だよって、歌を作れって言われたけど、僕、歌っていったって、どんな歌作っていいかわかんないしなあって、いろいろこう考えてる風景が思い浮かぶじゃないですか。


歌作り、左を見たり右見たり……ああどんな歌作ったらいいかなあと思って、ヒョッと下を向いたら、夏だったんでしょうねえ、朝顔の花が咲いてたと、


そこで、ああなるほどって、そこで初めて、歌っていうのは、自然に親しむ、自然に溶け込む状態のものなんだなってこと、子供心になんとなくわかったんだろうと思うんですね。


だから私、ああいい歌だなって思いましてね。


私はべつに歌会に入ったわけでもなんでもないですよ。でも歌が好きだからね。


出かけたとき、2、3年前ですよ。タクシーに乗ったら、いろんな話が出まして、まあ奥の細道のね。


ちょうど運転手さんが、芭蕉の句会に入ってるかたで、とっても芭蕉を尊敬してるんです。そのかたが、芭蕉が行ったところの山寺に連れていってくれたんです。


そしたらそこに短冊が置いてあって、筆が置いてあってね。そしたら運転手さんが、先生何か一句お書きになりませんかって、こう言うわけです。


ああそうって言って、大石さん、うちの会員ですけど連れていったんですけどね。大石さん、あなたもなんか書いたらって、いやあ私は、なんて言って。


だから自然に入っていけばいいんですよね。私あの時に作った歌、ちゃんと覚えてますけど、


「山寺に芭蕉をしのんでもみじ狩り」と、こういうふうに歌を作ったんです。


そしたら芭蕉の句会のその運転手さん、「へえ先生、いい歌できますねえ。さすが霊能者ですね」って、その時言われたんです。


そしたら、前沢さんも一緒だったんですけどね。前沢さんが、「いいわねえ先生」なんて、そのあとの歌が、またなおいいんだって。


というのはね、今度は階段で上へあがって、広間のところにろうそくが灯ってるんですよ。


そうすると説明をしてくれたわけ。このろうそくの火は、この山寺でもう何百年来、消さない習慣になってますと。一度も消えてないんですって。


それを聞いてね、ああなるほどねえ、すばらしいな、この光は。こう思ったときにね、また歌が出てきたんです。


この歌がとってもいいって前沢さんが誉めてくれましたけどね。


「山寺に光仰いで永久(とわ)の命を」


どうですか?ねえ、やっぱりいいでしょう。山寺に光、その光の説明を聞いたわけですね。


これはもう絶対に消せない光なんだと、もうズーッと何百年続いてるんだ。そうすると、それを見ながら、山寺に光仰いだんですから。


歌ってのはね、自然にひたりきってそのままを歌えばいいんですよ。山寺に光仰いで永久の、永久って永遠の命でしょ。このろうそくを永遠に消せないんだってことでしょ。だから「永久の命を」ってこう結んだの。


そしたら子供から誉められましたけどね。そういうわけで、まあとにかく歌っての瞬間フッとこう入ってくるんです。


あのね、皆さん魂が清まってくると、自然に、こう、スッと入れる己になっていきますよ。


自然に入れるってことは、自然は神なんです。神の懐にサッといつでも入れるんですよね。


そうすると、スッとその自然のものすごい表現が、サッと出てくるんじゃないかと思う。


そしたら今日、副管長がここへ来るときの、車の中の話を今度はするんですけど、


「おふくろ、この間マサタカがボーイスカウトで歌を作ったんだよ」っていうから、小学校3年生かな。


それで、へえ、どんな歌作ったのって聞いたら、なかなかいいんですよね。とっても子供らしくって。


じゃ、今日はそれをテーマにして、皆さんにお話しようねって言って来ました。


こういう歌、とってもかわいらしい。


「梅の花、散ってもきれい忘れない」っていうの。どうですか?


小学校3年生で、ねえ、子供が梅の花をなんとなく浮かべてる情景が感じられますよね。


もう行った時は散ってたんでしょう。だけど散ってても忘れない。そういうことをここに投げてるんじゃないかなと思う。


「梅の花、散ってもきれい忘れない」とてもいいなあと思った。


ホントに子供の純粋さそのままに、梅の花の表現をしてますよね。だから、子供って清らかですね。

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